概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害 睡眠相後退型

概日リズム睡眠障害―睡眠相後退型は、睡眠相が後退する睡眠障害です。

 

つまり、睡眠相後退型は、睡眠の時間帯が好ましい時間帯よりも遅い時間帯で持続する睡眠障害です。

 

深夜にまで及ぶ仕事や、極端な夜型生活を送ることなどにより引き起こされる睡眠障害です。

 

夜型の生活を長時間続けるため、体内時計が狂ったままになってしまうのが主な原因です。

 

つまり、正常な睡眠をとっているのですが、その睡眠の時間帯に異常がある睡眠障害です。

 

本人にとって適した時間帯に睡眠をとることができれば、睡眠の質や量は正常です。

 

しかし、一般の社会生活のスケジュールと合わせると、様々な障害を生じます。

 

症状としては、顕著な夜間の入眠障害と朝の起床困難をきたします。

 

 

治療法としては、睡眠相をさらにずらしていく方法があります。

 

少しずつ、寝る時刻を遅らせていき、好ましい時間帯まで睡眠時間帯を送らせているのです。

 

治療には、メラトニンを用います。

 

メラトニンは、概日リズムを調節するための成分です。

 

脳の松果体から分泌されるホルモンで、ヒトをはじめとした多くの哺乳類の体内リズムを調整しています。

 

メラトニンは昼間には、ほとんど分泌されず、夜間に盛んに分泌されるという特徴を持ちます。

 

メラトニンは、毎日決まった時間に飲む必要があります。

 

それは、メラトニンは睡眠を促すのではなく、睡眠リズムを正しくものに修正していくために用いるものだからです。

 

そのため、睡眠薬として服用したり、眠れないときに多く服用するといったことをしてはいけません。

 

メラトニン以外には、光療法があります。

 

光にあたることによって、ヒトの体内時計は前進します。

 

そのため、午前中の朝の早い時間帯に光を浴びることが効果があります。

 

一方、夜間の光への暴露はヒトの体内時計を後退させるので、夕方に強い光を浴びないようにすることが大切です。

 

また、パソコンのモニターや、テレビ画面などから放出される強い光にも注意してください。

概日リズム睡眠障害 睡眠相前進型

概日リズム睡眠障害 睡眠相前進型は、睡眠相後退型とは逆の症状を呈します。

 

極端な朝方と言えるでしょう。

 

つまり、早期覚醒や、早すぎる就寝時間を特徴とします。

 

概日リズム睡眠障害−睡眠相前進型は比較的高齢者に多く、加齢とともに頻度は増加します。

 

中高年では、100人に一人がこの病気だとも言われています。

 

社会的には、起きるのが早すぎるだけなので、あまり影響を及ぼしません。

 

朝早く起き過ぎるだけなので、普通に学校や仕事には行ことができます。

 

しかし、夜間に行われる飲み会などに参加できない、参加したとしても、眠ってしまうといったことになってしまいます。

 

そのようなことにより問題が生じる場合には、治療する必要があります。

 

睡眠時間帯がずれていることを除けば、通常、睡眠の質・量には問題がないことが多いです。

 

治療としては、睡眠相を後退させるために、早朝にメラトニンを服用します。

 

他には、夜間高照度光療法を用いることもあります。

 

これは、メラトニンと併用されることもあります。

 

概日リズム睡眠障害 不規則睡眠-覚醒型

睡眠と覚醒の概日リズムが消失してしまう睡眠障害です。

 

その結果、睡眠と覚醒のリズムが不規則になってしまいます。

 

夜間の入眠困難や、朝の覚醒困難、日中過眠などのさまざまな不規則睡眠をきたします。

 

病院や施設に長期間入所していたり、引きこもりが長く続いていたりして、社会のリズムに同調しない状態が長く続いていたり、適切な光刺激が少ない場合に起こりやすいです。

 

これも、治療にはメラトニンを用います。

 

毎日定時にメラトニンを服用することで、睡眠・覚醒のリズムを正しくし治療することができます。

概日リズム睡眠障害 自由継続型

自由継続型は、概日リズムは存在しているものの、そのリズムが通常の概日リズムよりも長くなる睡眠障害です。

 

通常の概日リズムは24時間であるものの、概日リズムが24時間よりも長くなり、外界と同期できないため、日ごとに覚醒・睡眠時間が少しずつ後退していきます。

 

そのため、徐々にですが毎日睡眠・覚醒の時間がずれていき、これにより身体の不調を生じることがあります。

 

概日リズム睡眠障害 自由継続型は、特に視覚に障害のある方に多く起こります。

 

視覚に障害のある方の実に約半数がこの型の概日リズム睡眠障害を発症していると考えられます。

 

その他の型の概日リズム睡眠障害が、この型のリズム障害に移行することもあります。

 

これは、特に概日リズム睡眠障害の睡眠相後退型がこの自由継続型に移行します。

 

自由継続型の睡眠障害に関しても治療としてはメラトニンを用います。

 

徐々に睡眠・覚醒のリズムがずれていきますが、このリズムのずれが望ましい時間帯になった時点でメラトニンの服用を開始します。

 

時差障害

時差障害は、時差ボケという名前で良く知られます。

 

これは、他の睡眠障害とは異なり、ジェット機に載ったりなどして、高速移動した時などに起こる一時的な睡眠障害です。

 

時差障害によって、睡眠不足や睡眠過多となり、さらに、全身披露、吐き気、めまい、目の疲れ、食欲低下など、様々な障害が生じ、これらの症状が数日間続くこともしばしばあります。

 

時差障害は、年齢が高い人ほど、先ほど挙げた症状が重くなる傾向があり、また回復も遅くなる傾向にあります。

 

 

時差障害の原因は、二つに分類することができます。

 

一つは、体内時計が刻むリズムと、現地の時間のリズムのずれです。

 

これを外部とのリズムが合わなくなる、同調しなくなることから「外的脱同調」と言います。

 

もう一つは、体内時計がつかさどる、体温リズムや、ホルモンの分泌リズムそのものが狂ってしまうことです。

 

これを「内的脱同調」といいます。

 

外的脱同調は、到着直後が最もひどく、時間とともに解消していきます。

 

しかし、内的脱同調は到着してから、数日後に最も強くなる傾向があります。

 

時差ボケが現地に到着してから数日後に強く感じるのは、これが原因です。

 

 

時差障害は、西向きに移動する時よりも、東向きに移動する時の方が強く症状が出ます。

 

「体内時計」で述べたように、人間の体内時計は24時間よりも少し長いので、東向きの移動の方が元のリズムに戻りにくいのです。