中枢性過眠症

ナルコレプシー

ナルコレプシーは、睡眠障害の一つです。

 

短時間に生じる異常な眠気、または、驚きや笑いなどの情動に伴って、起こる、姿勢筋緊張の突然の低下をなどがナルコレプシーの特徴です。

 

日中反復する居眠りがほとんど毎日、短くとも3か月以上にわたり、見られるものをいいます。

 

また、睡眠麻痺や入眠時幻覚を伴うことも多いです。

 

夜間の睡眠時には、睡眠の持続が悪く、中途覚醒が多くなります。

 

ナルコレプシーは、突然の眠気の後、10分〜20分の睡眠を行い、気分よく目覚め、また2〜3時間経つと、再び眠気を催すというパターンを繰り返します。

 

 

ナルコレプシーは、臨床症状として、情動脱力発作を伴うことがあるかどうかで、二種類に分類されます。

 

情動脱力発作とは、強い情動(驚きや笑いなど)に伴い、抗重力筋に脱力が急激に生じる発作です。

 

膝の力が抜けてフラフラする、腕や肩の筋肉に力が入りにくくなる、呂律がまわりにくくなる、といった脱力症状が生じます。

 

重症例では、立てないほどに脱力してしまうことがあります。

 

 

睡眠麻痺は、入眠時の最初に金縛りが起きる症状です。

 

また、恐怖感を伴う幻覚を入眠時にみることもあります。

 

日本人の情動脱力発作を伴うナルコレプシーでは、ヒト白血球抗原クラスU抗原型の一つであるDR2がほぼ100%陽性となります。

 

そのため、これが診断に有効です。

 

 

特発性過眠症

ナルコレプシーと同様に、夜間に時間的に十分な睡眠をとっていても、日中に眠気が生じる過眠症です。

 

眠気があるにも関わらず、無理に起こすと、自立神経症状(ふらつき、頭痛、起立性低血圧)などが起きやすいです。

 

特発性過眠症は、

 

夜間の睡眠時間が10時間を超える「長時間睡眠と伴う特発性過眠症」と、

 

夜間の睡眠時間が6時間以上10時間未満である「長時間睡眠を伴わない特発性過眠症」

 

に分類されます。

 

ナルコレプシーと、日中に眠気が生じるところは同じですが、異なる点があります。

 

どこか異なるかと言うと、

 

朝や、居眠り後に覚醒しにくく、寝ぼけた状態が長時間続き、(睡眠酩酊と言います)眠気が長時間続き、居眠りの後も眠気がすっきりとしない、といった点がナルコレプシーと異なります。

 

これらの特徴は、特発性過眠症の中でも、「長時間睡眠を伴う特発性過眠症」において特に顕著に認められます。

 

 

 

行動誘発性睡眠不足症候群

必要な睡眠量に満たない睡眠時間しかとれない生活・とらない生活を続けているために、慢性的な睡眠量の不足に陥いる症候群です。

 

睡眠不足により、眠気、集中力の低下、焦燥感の発生などが生じます。

 

これらの症状が、睡眠量の不足にあるという自覚に乏しい人が、睡眠を十分にとること以外で症状の改善を行おうとしている場合に行動誘発性睡眠不足症候群が疑われます。

 

つまり、睡眠不足で色々な悪い症状が出ているのに、その原因が睡眠不足以外にあると考えているのです。

 

治療としては、睡眠を十分にとってもらうことであり、特別な治療は必要ありません。

 

発症している本人に、きちんと症状の原因を自覚させることが大事です。

 

本人に睡眠時間の不足により症状が起きていることをきちんと理解させ、睡眠時間を延長してもらうことが大切です。

 

 

行動誘発性睡眠不足症候群では、中枢神経刺激薬は使用しません。

 

原因が単なる睡眠不足であるため、中枢神経刺激薬の効果が無いばかりか、より一層症状を悪化させてしまうことにも繋がりかねません。

 

生活指導を行って、睡眠時間を確保した場合でもなお睡眠障害の症状が出る場合には、他の睡眠疾患を合併している可能性も検討する必要があります。

 

 

 

長時間睡眠者

長時間睡眠者は、体質的に、長時間の睡眠が必要とされる人のことです。

 

睡眠時間の必要量は、人によって大きな個人差があります。

 

その中でも、極端に長い睡眠時間が必要とされる人のことを、長時間睡眠者と呼びます。

 

極端に長い睡眠時間とは、通常10時間以上を指します。

 

長時間睡眠者が、一般的な社会の睡眠サイクルに合わせようとすると、どうしても睡眠不足に陥ってしまいます。

 

対策としては、日常生活に支障が無いように起床時刻を徐々にずらしていく、という方法があります。

 

また、生活に支障が無いように、平日は睡眠時間を短くし、その短くした分を休日などの睡眠時間が確報できる時に補う、という方法もとられます。

 

非常に長い睡眠時間のために、社会適応が困難である場合には、家族や職場などへの理解を得ることが必須と言えるでしょう。